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ついったお題でヨハ表を見てみたら、間接キスネタだったので浮かんだ小話。
恋人設定でお送りします。




「これ、飲みます?」

ヨハン君の持っていたコーラの缶を差し出され、反射的に受け取ってしまった。

(けど、これを飲むってことは、)

缶とヨハン君とを交互に見て、頬に熱が集まる。
ヨハン君に他意はないとわかっているのに恥ずかしくてつい俯いてしまう。

「あ、ありがとう」
「間接キス、ってやつですね」
「!!」

その言葉に驚いて顔をあげると、ヨハン君は満足げに笑っている。
ボクが何を考えているのかお見通しだった事が恥ずかしくて、頬だけでなく耳にも熱が集まっていくのがわかった。
何か言おうにも咄嗟に言葉が出てこない。
そんなボクの様子をにこにこと笑ったまま眺めるヨハン君。
つい視線を逸らして再び俯けば、缶を手に持ったままだと気付く。
どうしようかと考えても、答えはひとつしか出てなかった。

(せっかくの好意を無下にしたくないし)

たとえ他意があったとしても、ヨハン君が気を遣ってくれたのは確かだ。
だったら結論はただひとつ、と開きっぱなしの飲み口からコーラを飲んだ。
しゅわしゅわと炭酸飲料ならではの刺激が喉を通っていく。
残りは少なかったのですぐに飲み終わり、缶をごみ箱に投げ入れ(なんと一発で入った。ボクにしては珍しい)
ヨハン君に向き合ってお辞儀をひとつ。

「飲み物ありがとう、ヨハン君」
「…遊戯さん、口についてますよ」
「えっ」

何が?と、言おうと顔を上げた途端に口を塞がれ、言葉が出なかった。
ヨハン君の顔がすごく近い。さすが海外の留学生、睫毛が長い、なんて思って見とれてしまった。
けれどすぐに我に返る。
口を塞がれ、顔が近いという事はつまり、というか今唇に触れているのはつまり…ヨハン君にキスされているという事で。
慌てて離れようとした瞬間、ヨハン君から解放された。

「やっぱり、間接的なのよりこっちの方がいいな」
「ヨハンく、」
「もう一回、してもいいですよね?」

何か言おうにも、またもや言葉が出てこない。
そんなボクを見て、ヨハン君は綺麗な笑みを浮かべたのだった。

拒否できたのかどうかなんて、言うまでもない。





* * * * *


ヨハンの日おめでとう!ってことでヨハ表でした。
ヨハンは遊戯さんには敬語使うよね?たぶん。
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