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左右田→←日向、日向くんの独白。
日向くんがちょっと卑怯というか臆病者になってますご注意ください。







* * * * *




「…はぁ」

思わず溜息が零れてしまい、何を落ち込んでいるんだ、しっかりしろと自分に喝を入れる。
けれどついつい溜息を吐いてしまう。
それもこれも、全部あいつの所為だ。

(左右田の馬鹿野郎)

ここにはいない相手の顔を思い出し、ふるふると頭を振って追い出そうとするも無駄に終わった。
眉根を寄せ、今自分はひどい顔をしているだろうと他人事のように考える。
全部全部、左右田の所為。
俺が一人で悩んでいるのも、気分が落ち込んでいるのも全部、あいつが悪いのだ。

「…告白くらい、すぱっと言えばいいんだよ、あいつは」

文句を言えばすっきりするかと口に出してはみたものの無意味だった。
何かを言いたそうにしている左右田の顔を思い出して、眉間の皺が深くなった。
告白。そう、告白。自分の気持ちを相手に伝える、告白というものだ。
左右田が誰に告白するかというと…俺に対して、だと思われる。
いや、思われる…ではなく、間違いない。
何故って、ここ最近会う度に何か言いたげにしているからだ。
口を開いては何も言わずに閉じ、再び開き、と繰り返しているのを何度も見た。
それだけじゃなくて、左右田を起こしにコテージの前まで行った時、「今日こそ日向に告白すんぞ!」なんて、決意が駄々漏れだったのだ。
聞いてしまって申し訳ないとは思ったものの、俺は謝る事も出来ずにいる。
左右田もその日に告白なんてしてこなかったし、本当にあいつは根性がないというか、なんというか。

「あー、くそ、…両想い、なのになあ」

口に出して言ってしまうと恥ずかしい以外の感想が出てこないのだが、まあ、結局のところそういう訳だ。
俺も左右田が好きなんだ。けれど、自分から言うのが悔しくて言えずにいる。
その上、左右田のいないところで八つ当たりをするなんて、自分がこんなに子供っぽいとは思ってもいなかった。

「全部全部、左右田の所為だ」

本日何度目かの悪態をついてベッドに寝そべり目を瞑る。
左右田が勇気を出すのが先か、こちらが折れるのが先か。
どうなるかは分からないけれど、この気持ちだけは消えそうにないなと思いながら深く溜息を吐いたのだった。


* * *

結局のところ左右日ってどっちから告白するの?
→左右田くんがんばれちょうがんばれ 
という考えのもとこうなりました。付き合うまでが長そうだなーと。
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