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日左右っぽいけど左右日です。
のんびりアイランドで過ごすふたり。
題名は診断メーカーで左右日と入れて出てきたものです。
のんびりアイランドで過ごすふたり。
題名は診断メーカーで左右日と入れて出てきたものです。
* * * * *
部屋に遊びに行った時からずっと、左右田は様々な機械をいじっては分解し、組立て、を繰り返している。
ここに来てから30分は経っただろうか。
ちょっと待ってろ、と言われた俺は隣でそれをぼんやりと眺めているだけ。
(突然来た俺が悪いんだし、左右田の邪魔をするつもりはない…けど)
話しかけても生返事しか返ってこないとなると寂しいものだ。
別に甘えたいわけじゃないけれど、と心の中で言い訳をしてからなんとか話しかけようと試みる。
「なぁ、」
「……」
無視…ではなく、それだけ集中しているのだろう。
左右田の表情は真剣で、それが普段見せないものだからかどきりとする。
(これが本当の左右田なのかな)
お調子者で、すぐ怒ってすぐ泣いて、情けない奴という印象が強いけれど、過去の話を聞いてからそれは左右田の一面に過ぎないのだと知った。
こうやって、ひとつのことに真剣に向き合うのが本来の姿なのかもしれない。
(…なんて、都合のいい解釈をするのは惚れた弱みか)
何とも恥ずかしい事を考えてしまい、頭を振ってそれをかき消した。
なに考えてるんだ、と自分に呆れてから、やることがないせいだと考え直す。
左右田は俺の視線など気にせず作業に没頭していて、まだ終わりそうにもない。
(やることがないと思ったら、眠くなってきたな)
ベッドにもたれかかってぼんやりしていると、窓からの日差しが暖かいのも相まって眠気が襲ってくる。
まだかかりそうだし、少しくらいいいかと瞳を閉じればすぐに意識を手放した。
「……た」
ゆさゆさと体を揺さぶられ、ゆっくりと意識が戻ってくる。
(何か聞こえる、)
小さな声で誰かが何か言っている。けれどまだ意識がはっきりしていない俺は瞳を閉じたまま。
「ひ…た、」
ああ、これは左右田の声だ。俺を起こそうとしてるのか。ぼんやりとしたまま、そんなことを考える。
肩に触れた手はひんやりとしていて気持ちいい。もう少し、このままでいたい。そう思ったら目を開けるのが勿体なかった。
「起きろっつーの……創」
「!」
のんびりしていたところに突然の爆弾発言が降ってきて、驚きのあまり目を開く。
俺が目を開けると思っていなかったのか、左右田は驚いたように目を瞬かせ、そして眉根を寄せて睨んできた。
「な、んだよオメー起きてたのかよ!」
「寝てた…けど、今ので覚醒したというかだな」
「そーゆーのを狸寝入りっつーんだよ!」
怒鳴る左右田は心なしか頬が赤い。けれど俺もたぶん同じだからおあいこだ。
そこで目が合ってしまい、なんとも気まずくて目を逸らす。
「いやだって、名前を呼ばれるとは思わないだろ…」
「オレがわりーのかよ!」
「悪…くはないよ、嬉しいし」
視線を合わせぬままに呟くと、反応が返ってこなくなる。
不思議に思って視線を戻すと、そこには耳まで真っ赤になった左右田がいた。
そんな反応をされるとは思わなくて、けれどそれすらも嬉しいと思う自分がいて、だからつい、
「……和一」
「!!」
「和一。うん、これでおあいこだな」
きっとまた同じように耳まで赤くなっているだろうと思ったら笑えてきて、笑いながら名前を呼んだのだった。
「オメーは!そーゆー顔してそーゆーこと言うのやめろ!まじでやめろ!オレの心臓が持たねーんだよ!」
「いや、そんなこと言われても…」
その後、左右田から喜んでるんだか怒ってるんだか分からない文句を言われたのは、また別の話。
* * *
へたれ左右田くんが好きすぎてどんどんへたれになっていく。
けど攻めなんですこれでも…。
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