忍者ブログ
二次創作テキストサイト。はじめての方は「はじめに」をご覧下さい。
 91 |  90 |  89 |  88 |  87 |  86 |  85 |  84 |  83 |  82 |  81 |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


今日は覇ジムの日!
ってことで覇ジム書いてみました。
十代くんと覇王様で身体分かれてる設定で、
何故か当然のように生きてる覇王様ですが興味のある方どぞ。







* * *


「そろそろさ、お前ら付き合い始めて1ヶ月だろ?」
「…は?」

ソファに座ったところで隣にやって来た十代が呑気に告げた一言。意味を理解するのに数秒を要した。
付き合う、誰と。誰などというのは一人しか思い浮かばない。
優しげな眼差しを向けてくるあの男を思い出して、苛立ちが募る。

「…何故そんな事を貴様が把握している」
「だって俺らの1ヵ月後くらいに恋人になってたし。なんとなく覚えたっていうか」

相も変わらず飄々としている。
十代はのんびりとソファで寛ぎ、用意してきたらしいスナック菓子を開けて食べ始めた。
「覇王も食う?」と言われたところで手をつける気にもならずに無言で睨み付けたが、十代は「おーこわ」と言ってへらへらと笑うだけ。
双子の兄である(と主張している)十代は、俺がいくら睨んだところで怯みはしない。
こんな時は何を言っても無駄だと分かっているので視線を外し、壁にかけてあるカレンダーに目を向けた。

(1ヶ月か)

今では共にいる事が心地良いとさえ感じるあの男…ジムを思い出し、不意に会いたい衝動に駆られる。
普段はジムが率先してこちらにやってきていたし、あいつが俺のものになってからは来るのが当然だと思っていた。
けれど思えばここ最近は会っていない。会えれば今すぐにでもすべてを俺のものに出来るのに。

(……仕方あるまい)

 

 

 

見慣れない風景、見慣れない空気。
何もかもを見知らぬ土地を歩き、十代から貰ったメモに書かれた場所までやってきた。
ジムが住んでいるというその家は、家主の優しさを表すかのように温かい雰囲気に包まれていた。
どうにもそれが居辛いので、少しばかり乱暴に扉を叩く。
奥からばたばたと大きめの足音が聞こえてきたと思えばすぐにその扉は開き、その先には久方ぶりに会うジムの姿があった。

「…覇王!?」
「入るぞ」

まさかこんな所に俺が来るとは思ってもいなかったのだろうジムは、驚きに目を瞠る。
対する俺は返事を聞く前にずかずかと家の中へと入る事にした。返事など待つ必要はないだろうと分かっているからだ。
この男が俺の要求を拒む事など有り得ない。
部屋の構図は分からないがなんとかなるだろうと歩いていれば突き当たりのリビングにたどり着く。
そこで漸く後ろから慌ててジムが走ってきた。

「覇王、Youが来るなんて…何かあったのかい」
「別に何もない。俺が来たらまずいとでも言いたいのか」

足を止めて相手を見上げると、驚いた表情のジムと目が合った。けれどすぐに表情を緩め、嬉しそうに薄らと笑みを浮かべる。
表情だけでこんなにも分かりやすい人間はこいつくらいのものだ。

「No、とても嬉しいよ。Friendが来てくれるのは大歓迎だ」
「友人?何を言ってる、貴様は」

ぐいと腕を引き、ジムが体勢を崩したところで唇を塞ぐ。
こうでもしないとキスさえも出来ない事に苛立ちもしたが、そんな事は今どうでもいい。
久しぶりのジムの体温は心地良く、同時にもっと欲しいという欲望が膨らんでいく。
油断していた相手の口内へと舌を滑らせ絡め取るとびくりと反応するのが面白い。
続きはこの後たっぷりとしてやろうと心に決め、一旦離してやることにした。

「っ、はぁ、」
「貴様は俺のものだと言った筈だ。友などという生温いものじゃない」
「覇王、でも俺は」
「五月蝿い。とにかく、俺が会いに来た理由はたったひとつだ」
「…理由?」

真っ赤な顔をしていても、こんな時でも真っ直ぐにこちらを見つめるジムの瞳はあの頃と変わらない光をたたえている。
俺に毅然と立ち向かってきた時と変わらない、あの瞳。
それを手に入れたくて、俺はこんな所までやってきたのだ。
(俺のものだと宣言しても、まだ足りない)

「全てを手に入れる為に来た」
「すべて?」
「そう、全てだ」

ジムの瞳が一瞬揺れた。鈍感なこの男でも意味を理解したのだろう、動揺を隠せないようだった。
こちらを見つめる瞳の中には笑みを浮かべた俺の姿が映っている。

(そうだ、俺だけのものだ)

この瞳に映るのは自分だけでいい。
自分勝手な思いを胸に、逃がす事のないように手を伸ばす。
一瞬びくりと震えたその身体は、それでも俺から逃げようとはしなかった。

「逃げないのか」
「…そうだね。俺は逃げない。君からは絶対に」
「……物好きな奴だ」

ジムの答えに満足して、再度引き寄せてキスをする。
抵抗する気がないのは本当に受け入れるつもりだからか。

(そもそも逃がす気もないが)

心の中でそう呟いて、掴んだ手に力を込めた。

 

 

 

* * * * *

 

覇王様の世話焼き係なジムと、
普段邪魔だと思ってるのにジムがいないと苛々する覇王様。
そんなかんじの覇ジムが好きですっていうかもうパロですねこれ
本編じゃありえない・・・。

恋人になった時点でもう寝てると思うんですけども
きっと勢いだけってのがあるんじゃないかなーとか。
なので再び。ということで既成事実作りに来た覇王様でした。

十代くんの恋人は特に決めてなかったのでそこらへんは想像にお任せします
個人的には遊戯さんだけど、GXだけで考えると色々妄想膨らむよね。

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
拍手など
Copyright ©  柚子缶  All Rights Reserved.
*Material by *MARIA  / Egg*Station  * Photo by Kun  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]