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今日は遊戯さんの誕生日!
ってことではりきる十代くんの話。
ってことではりきる十代くんの話。
* * * * *
カチリ、と壁時計の秒針が動く音が部屋に響く。
携帯を開けば6月4日になっていた。
今日はボクの誕生日。
だからといって何があるわけでもないけれど、日付が変わる瞬間は何故だか緊張してしまう。
それに加えて--
(連絡が来るかも、とか考えちゃうわけで)
恥ずかしい事に、十代くんからのメールを待ち望んでいるボクがいるのだった。
しかし彼がいるのは海の向こうのどこかは分からない土地。
連絡できるかどうかも分からないのだから、諦めて寝た方がいいんじゃないかという考えが浮かんでは消える。
あと5分、と思ってからどれくらい経っただろうか。
壁に目を向ければ、時計の針はもうすぐ1時になろうとしていた。
(やっぱり、無理かな)
さすがにそろそろ眠くなってきた。
待っていたい気持ちはあるものの、これ以上夜更かししても明日の仕事に響くと結論付け
布団に潜り込んだ、その時だった。彼専用の着信音が部屋に鳴り響いたのは。
布団から飛び起きて慌てて携帯を開けば、ディスプレイには『遊城十代』の文字。
嬉しさに顔が綻ぶのもそのままに、携帯のボタンをゆっくりと押した。
「もしも「お誕生日おめでとうございますっ遊戯さん!!」
スピーカーホンにしたんじゃないかというくらい大きな声が聞こえてきて、つい耳元から携帯を離してしまう。
すると十代くんは返事が聞こえてこない事を不安に感じたようで、何度もボクの名前を呼んだ。
(産まれたばかりの小鳥みたい)
くすりと笑えば、その小さな音すらも聞き取ったらしい十代くんがほっとしたように溜息を吐いたのが分かった。
電話越しだから相手の様子は見えないのだけれど、彼がどんな表情をしているか、なんとなく想像できる。
分かりやすいなあと思いながらも、電話が来た事に喜ぶボクも同じか、とも思った。
「こんばんは、十代くん。1番にお祝いしてくれてありがとう」
「遊戯さんの誕生日なんだからこれくらい当たり前です!あっあと今日、夜とか時間ありますか?」
「え?あるけど…十代くん、今どこに「俺絶対そっち行きますから!待っててくださいね!」
一体どういう事なのかと聞く前に電話が切れた。
携帯のディスプレイを見ると『会話時間 27秒』と出ている。せっかく電話が来たと思ったらこれだ。
(もう少し話したかったんだけどな)
おめでとうと言われた事より、彼の声を聞けたのが嬉しくて。
せっかく誕生日なんだし、好きな人の声を聞いていたいという我儘も偶にはいいんじゃないだろうか。
もう一度声が聞きたい、そう思って着信履歴を開いてかけなおそうか考えていたら、十代くんからメールがやってきた。
当然のようにメール着信音も専用…って、本当に彼を特別な存在と思っている証拠だと思う。
それはともかく、何だろうと思ってメールを開いてみれば、そこには何故か
「十代くんと…お菓子?」
見慣れた笑顔の彼と、その横には見た事もないカラフルな食べ物が写っていた。
楽しみに待っててください!という一言が添えられたそのメールからは、先程の電話の会話通り、彼がこちらへ戻ってくるという意思が伝わってきた。
つい最近、帰国するのはもう少し先だと聞いたのに。それなのに十代くんは、ボクの誕生日だからという理由だけで戻ってくる。
これだけの為に?と笑われそうな事ではあるけれど、その気持ちがすごく嬉しい。
(十代くんって…ボクを喜ばせる天才かも)
電話が切れた直後の落ち込みが嘘のように、温かい気持ちで胸がいっぱいになる。
頬が緩むのも抑えきれないままに、携帯を握り締めたまま布団へと倒れこんだ。
早く寝て、明日…いや、今日に備えないと。その前に返信もしないと。
(早く会いたい、な)
メールを見返して、幸せな気持ちのまま目を瞑る。
今日はボクの誕生日。
そして大切な、大好きな人に久しぶりに会える、素敵な日になりそうだ。
* * * * * * * * * *
遊戯さんお誕生日おめでとうございます!
ってことで十代くんにお祝いしてもらいました。
幸せラブラブカップルもえ!
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