二次創作テキストサイト。はじめての方は「はじめに」をご覧下さい。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
遊戯さんサイドの十表。
1/2と対になっています。
1/2と対になっています。
* * * * *
「十代くん」
「?何ですか、遊戯さん」
「…ううん、何でもない」
好き、その一言がとてつもなく恥ずかしくて言えなかった。
誤魔化すのは得意じゃない。だからただ首を振って曖昧な返事をかえすだけ。
すると十代くんはじっとこちらを見つめた後に、突然ボクを抱きしめた。
「十代くん?」
「俺も何でもないです、こうしたかっただけです」
「…そっか」
驚いて見上げれば、心配するようにこちらを見つめる十代くんと目が合う。
申し訳ないと思うのと同時に、嬉しさが込み上げてくる。彼は今、ボクだけを見てくれているから。
(ああそうか、)
それだけでいいんだ。
好きな人と一緒にいて、心配してもらって、抱きしめてもらって。
ただそれだけで、こんなにも嬉しいと思う。幸せだと思う。十代くんに会うまでは知らなかった事ばかり。
教えてくれた十代くんにお礼を言いたいくらい。
けれど感謝の気持ちを直接伝えるのはやっぱり恥ずかしいから、代わりに自分からも抱きしめ返しておこう。
そうすればもしかしたら、気持ちが伝わるかもしれない。
言葉で伝えるには、まだまだ時間がかかりそうだけど。
(それまで待っててね、十代くん)
* * * * * * * * * *
付き合い始めた頃の話。
思った事をすぐ口に出す十代くんとは違って
遊戯さんは言い出せないと思うのです。
PR
この記事にコメントする