二次創作テキストサイト。はじめての方は「はじめに」をご覧下さい。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
FE覚醒、ガイリズ夫婦と息子のウードで誕生日ネタ。
ウード、誕生日おめでとう!
ウード、誕生日おめでとう!
* * * * *
「ウード!!」
「?母さん、どうしたんだ?」
「何で言ってくれなかったの!?」
息せき切ってやってきた母さんは、息を整えることなく俺に詰め寄る。
話の意図がまったく読めず、こちらは目を白黒させるばかり。
情けない話だが、俺は母さんに少し…いや、かなり弱い。
あの絶望の未来で両親を失ったせいなのかもしれないが、そんな俺は母さんに強く出る事ができない。
だから今回も、母さんの言葉を待つ事しかできなかった。
「ええと…?」
「リズ、ウードが困ってるぞ」
俺が情けない声を上げていると、母さんの後ろからのんびりと父さんが登場した。
その手には大きな皿と、何やら甘い香りがするものが乗っていて…あれはケーキじゃないだろうか、とアタリをつける。
無言でそれを見つめていると、父さんは「美味そうな匂いがするだろ」と言って自慢げに見せてくれた。
「ガイア、もう持ってきちゃったの?」
「俺とケーキを二人っきりにするとウードの分がなくなるからな」
「う、確かにそうかも…」
「…俺の分?」
父さんは説明してくれるかと思いきや、母さんと談笑するばかりで話しが先に進まない。
けれど俺の分、という言葉を聞いて思わず反応すれば、母さんは嬉しそうに笑った。
「そうだよ!今日はウードの誕生日!…でしょ?」
「あ!」
「お前、忘れてたのか?うちの英雄息子はリズに似てちょっと抜けてるな」
父さんが笑ってそう言えば、母さんは「なにそれ!」と言って拗ねたようにむくれる。
俺が知っている未来の母さんよりも幼い母さんの仕草に、(母さんは変わってないな)なんて思ってしまう。
未来よりもまだいくばくか平和な世界で、こうやって普通の家族のようなやり取りができる事が幸せだと思うのも、おかしい事かもしれないけれど。
けれど、数少ない家族の思い出を増やしていけるような気がして、心が温かくなる。
「そっか…俺の、誕生日」
「そういう事だ。俺とリズの二人で作った傑作だからな、有難く食べろよ」
「もー、せっかくのお祝いなんだからそういう事言っちゃだめだよ!」
甘いものに目がない父さんが傑作というくらいだ、かなりの自信作なんだろう。
生クリームはたっぷりと、艶々とした真っ赤なイチゴがいくつものったケーキが輝いて見える。
所々形が歪なのはきっと不器用な母さんが担当した部分なんだろうとも思ったけれど、二人が用意してくれたその事実が何よりも嬉しかった。
「父さん、母さん」
「ん?」
「なあに?」
「ありがとう」
たった一言。
感謝の気持ちをいつもみたいに大仰な(俺個人としては格好良いと思っている)言葉で表そうとしたけれど、上手く言葉が出てこなかった。
だから、たった一言だけ。するとそれを聞いた二人は驚いたように目を瞬かせ、二人揃って顔を見合わせてから、
「「どういたしまして!」」
そう言って、これまた二人揃って笑顔を見せてくれたのだった。
* * *
ウードは甘いもの好きだって知ってから(ノワール支援会話参照ですかわいいですぜひ)
リズに「ケーキ作るの手伝って!」って言われて
文句言いつつも内心喜んでれば可愛いなーという妄想が膨んでます。
子世代はキャラみんな濃いですが、やっぱりダントツでウードが好きです。
厨二病キャラでもいい、かわいい。
PR
この記事にコメントする