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FE覚醒でガイア×リズ、支援S直後のはなし。





* * * * *



「えへへ…」

リズは俺が渡した指輪をさっきからずっと嬉しそうに眺めている。
その様子をずっと見ているのもいいかとも思ったが、このままではつまらないと思ったのも事実。

「リズ」

名前を呼べば、ん、なあに?と首を傾げる姿が愛らしい。
座っている彼女に近付いて、触れるだけのキスをする。
すぐに離れて様子を見れば、何が起きたのか分からなかったのだろうリズは驚きのあまり固まっていた。

「おい、「なっ、ななな、なにしたの今!!」

話しかけたところでリズが勢いよく立ち上がり、頬をまるで林檎のように真っ赤に染めて詰め寄ってきた。

「いきなり何するの!」
「あー…してないなと思ったら、つい」
「ええええ!?」

なにそれ!と文句を言うリズは、詰め寄ってきた割にはこちらと視線を合わせようとしない。
それどころか抱きついて俺の胸に顔を埋め、大きな溜め息を吐いた。
怒らせたかと思ったのに、リズはそのままの態勢で動こうとしない。
結婚を決めた直後だというのに呆れただろうか、どう言い訳すればこのお姫様の機嫌は直るんだろうか。
抱きつかれたままそんなことを考えていると、ようやく顔を上げたリズと目が合った。

「は…はじめてなんだよ!」
「は?」
「だ、だから!今の…キスが、はじめてなの!」

耳まで真っ赤にしたリズの告白に、俺は目を瞬かせる。
『はじめて』。
キスをした事もなかったのか、と聞く前に、王族がどれだけ拘束されるものかを思い出して納得する。
それに、あの兄貴や自警団副団長がいる環境では無理もない事だ、とも思った。
それにしても、そんな告白をわざわざしてくれるなんてさすがはリズだと感心するしかない。

「…そ、そうか」
「そうだよ!ぜんぶぜんぶ、ガイアが最初で最後なんだから」
「なっ、リズ、お前…」

俺のプロポーズの言葉よりも、今の告白のほうが衝撃が大きいんじゃないだろうか。
最初で最後。
俺だって、リズが最後の女である事は間違いない。
リズにとっての最初の男が俺だという事ももちろん嬉しい。けれど最初で最後、なんてはっきり言われると何よりも気恥ずかしさが勝るのだ。
相手に釣られるようにしてこちらも顔が熱くなる。それを見たリズが驚いたように声を上げた。

「…ガイア?どしたの?」
「あー…リズ、もう一回していいか」
「えっ」
「やり直しだ。はじめて、なんだろ」

質問には答えずにそう告げれば、リズは大きな瞳をさらに大きく丸くしてから、真っ赤な顔のままこくりと頷く。
さっきのような不意打ちではなく、普通にキスをするためにゆっくりと顔を近付けた。
リズは緊張した面持ちで、こちらの動作に合わせるようにゆっくりと瞳を閉じる。それと同時に唇が重なり、リズの肩がびくりと震えた。
触れていた時間はほんの数秒。出来ることなら何度でもしたいところだが、何もかもがはじめての彼女に合わせる事にした。
けれどこのまま離れるのが惜しくて、リズが抱きついていたままなのをいいことにしっかりと抱き締める。
リズは相変わらず耳まで真っ赤にしたまま、しかし不意にくすくすと笑いだした。

「リズ?」
「ふふ、あのね、すっごく嬉しいなって」

顔を上げ、楽しそうに笑う彼女。
リズの笑顔はこちらまで笑顔にしてくれるのだから不思議なものだ。
笑い返せば、リズは笑みを深くしてからこう言った。

「さっきのも、嬉しかったんだよ?びっくりしたけど、嬉しかった」

あんなに驚いていたというのに、まさかの本音が聞けてしまった。
嬉しかったと言われて喜ばない男がいるだろうか?
その言葉を聞いて、思わず行動に移してしまった。ちゅ、と軽いリップ音が辺りに響く。

「!?」
「嬉しかったって言ってたから、な」

言い訳代わりに軽口を叩く。
するとリズは今度こそ眉を釣り上げて、

「や、やっぱり不意打ちはだめ!」

そう、怒りの声を上げたのだった。



* * *

ガイアさんとリズがふたり仲良くお菓子作りしたり、ふ
たり並んで洗濯物干したり、ふ
たり一緒に食事当番になってたりするのを想像するだけでもえますガイリズかわいい。
あと、クロムとガイアの支援会話で出てきた盛り場ネタを
うっかりクロムが言っちゃって、リズが怒る展開なんかもいいですよね…夢はふくらむばかり。
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