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かさのさん誕生日おめでとうございますー!
ということで捧げもの第一弾、フレデリクとソールさんです。





* * * * *


「ソールさん」
「あ、フレデリク」

彼の誕生日から早数日。
仲間たちがプレゼントと称したご馳走にありついた彼は、ここ数日上機嫌だ。
何かの歌を口ずさみながら歩いている彼を呼び止めると、にこにこと人の好い笑みを浮かべたまま振り返った。
仕草ひとつひとつが可愛いと思うのは恋人だからという贔屓目もあるだろう。けれどそうやって様々な表情を見せてくれる恋人が好きなのだからそう思うのは悪いことではないと思っている。

「今、お時間は空いていますか」
「うん、大丈夫だよ」

快く頷いてくれたことに安堵しつつ、ではこちらへ、と見慣れた天幕の中へと向かえば、彼は何の迷いもなくついてくる。
天幕の中は薄暗く、灯りをともしてから席へと促すと、お邪魔します、と言ってから彼は席へ着いた。

「ふふ」
「どうしたの?」
「いえ、礼儀正しいんだなと思いまして」

話しながら、しまっておいたティーセットを取り出す。
お茶の用意をすると直ぐに分かったらしい彼は少しだけ体を浮かせたけれどこちらへやってくる事はなく、視線だけをしっかりと向けてくる。

「フレデリクの前だからね!しっかりしておかないと怒られちゃうよ」
「ソールさんに対しては怒りませんよ」

話している間にも、二人分の紅茶を用意すべくポットへ茶葉を入れ、用意しておいたお湯を注ぐ。蒸らす為のティーコジーもセットして、あとは待つばかりと彼の視線を正面から受け止めた。

「本当に?」
「ええ。・・・まあ、酷く行儀が悪い場合は別ですが」
「あはは・・・やっぱり」

眉をハの字に下げ、苦笑いを浮かべるのはいかにも彼らしい。
今回のような表情はいつもの事だが、彼が苦笑する時は誰かを気遣っている時が多い。
普段の彼がどれだけ人に気遣っているのかを知った時には驚いたものだが、それが彼の良いところでもあり悪いところでもある。

「ソールさん、私の前では無理に笑わなくて結構ですよ」
「えっ?」
「笑顔が見たいと言ったんです。その為にも、これを受け取っていただけますか?」

いいながら、ティーセットと共に持ってきていた小さな箱をテーブルの上へと置いた。
彼は驚いたようにこちらを見上げていたけれど、どうぞ、と笑みを浮かべて促せば、おずおずと箱へと手を伸ばす。
そのままゆっくりと蓋を開け・・・中身を見て、一瞬目を見開いてから直ぐにこちらを見上げてきた。

「ふ、フレデリク、これ、」
「誓いの指輪です。結婚は出来ないと分かっていますので、これだけでもと思いまして」

悪戯が成功した子供のように笑って、再度「受け取っていただけますか」と言えば、彼の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
その様子をのんびりと観察したいとも思ったが、丁度良い時間だったので紅茶を淹れる作業へと戻る。
ティーカップへと紅茶を注げば、甘みのある香りがふわりと漂う。これも喜んでもらえるだろうと彼の目の前に置くと同時に、カップを持っていた手を捕まれた。

「あの、だからこれってつまり、」
「そうですね・・・私がソールさんを愛している証、と言えばいいでしょうか」
「あ、愛!?」

捕まれた手は直ぐに離されてしまい、少し残念に思いながら自分も席に着く。
こちらの言葉に慌てたように声を上げる彼が可愛くて、悪戯心が疼くのも愛ゆえだと思いたい。
笑みを浮かべたまま、今度はこちらから相手の手を取り、

「ソールさんは違いますか?」

意地悪かもしれない質問をすれば彼は耳まで真っ赤になり、小さな声で、

「フレデリクの事は好き、です」

それでもしっかりと呟いてくれた。
彼の言葉が聞けて満足した私は手を離し、彼が顔を上げた瞬間を見計らって

「ああ、それはよかった」

そう言って誓いのキスを捧げたのだった。
その後、真っ赤な顔をしたままの彼に逃げられたのは言うまでもない。
指輪を忘れずにいてくれたのは良いが、せっかくの紅茶が冷めてしまった事を後で告げたところ、赤くなったり青くなったりと百面相をする彼が見れたのは嬉しかったけれど。



* * *

フレデリクの口調が正直わかりませんでしたすみません
あんまり支援会話見れてない弊害がこんなところに。
そしてフレソルでも結局ソールさんがあわてるのは変わらないオチ。
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