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DA卒業後、ヨハンはアカデミアの講師、
ジムは大学で考古学や地質学の研究をしてる設定です。完全に私得です。
* * * * *
「せんせー、お客!」
「え?」
「正門とこ!お客さん来てるってば!」
「客って誰だよ…って、」
生徒に声をかけられ、廊下の窓から外を覗いてみる。
正門のあたりに何人もの生徒が群がっている。その中心にいるのはよく知っている人物。
「ジム!?」
「そうそう、そんな名前の人!」
生徒の瞳は興味津々と輝いていて、俺を訪ねてきた人物が誰なのかとでも言いたげだ。
けれど今の俺はそれに答える余裕なんてなかった。
慌てて廊下を走り正門へと向かう俺の姿を見た生徒たちが驚いていたけれど、全部無視して走り続ける。
そうしてようやく辿り着いた場所にいるのは見間違う事なく俺の恋人だった。
俺がやってきたことで周りにいた生徒たちは場所をあけ、先刻の子と同様に興味で瞳を輝かせていた。
説明する気もない俺は周りの目など気にせずに、生徒に囲まれて困った表情のジムに話しかけた。
「ジム…なんでここに?」
「ヨハン!よかった、生徒が呼んでくれたんだな」
俺に気づいたジムの表情が一瞬にして明るくなる。それだけで俺まで嬉しくなってしまう。
出来る事なら抱き着いてやるんだけれど、生徒の前ということもあるのでさすがに抑えておく。
そこでふと、ジムが持っている荷物に目がいった。見慣れた袋に入ったそれは、俺の勘違いでなければ…
「それ…弁当?」
「That's it!ヨハンが忘れていったから持ってきたんだ」
笑顔で返答をするジムに手渡されたそれは、間違いなく弁当箱だった。
ずっしりと重いのは彼の手料理が入っているから。
持ってきてもらえたことはもちろん嬉しいけれど、今日も大学に行っていた筈のジムが何故ここにいるのだろう?
俺が何を言いたいのかわかったのか、ジムは笑みを深くして答えをくれた。
「今日は時間に余裕があるから…ヨハンがよければ一緒にLunchを取れればと思って」
「!!もちろん!」
こんな提案をされるとは思ってもいなかったし、周りに生徒たちがいるのも忘れたわけじゃない。
けれど、そんな事気にしてなんかいられない。だってこんなイベント滅多にお目にかかれないんだから!
「Thanks、ヨハン」
「こっちこそ、っていうかそうと決まったら早く行こうぜ!!」
ジムの手を取った俺は生徒たちの波をかき分け、来た時と同じように走り出す。
そんな俺にジムだけでなく生徒たちも皆驚いたようだったけれど、今は時間が惜しいから、と心の中で言い訳をして足を止める事はなかった。
(後で何を聞かれるか、覚悟しとかなきゃな)
何て答えてやろうか、そう考えたら思わず笑みが零れた。
* * *
ジム大好き!なヨハンが好きです。
卒業後は毎日ジムの手料理が食べれるヨハン・・・うらやましい・・・