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DSS、バレンタインネタのユーグ×カレルです。
* * * * *
「ほら、やるよ」
「え?どうしたんですか、コレ」
無造作に投げられた箱を慌てて受け取る。手の上に載るくらい小さな可愛らしい箱は、見た目通りに軽かった。
まじまじと観察していると、ほんのり甘い香り。
「あー、知らない女から貰った。カレル、甘いもの好きだろう?」
「はいっ。…と、いう事は、これってチョコレートですか?」
「らしいな。見ず知らずの俺にくれるなんて、世の中物好きもいるもんだね」
そう言って笑うユーグは、どこか楽しそうだった。
ボクはといえば、受け取ったお菓子を食べてもいいものか、そわそわと落ち着かない。良いとは言われたけれど本当に良いのだろうか、と迷ってしまったのだ。
するとそんな心情を察したのか、ユーグはボクの手から箱を取り蓋をあけ…ふわりと甘い香りが漂う中、真ん丸のトリュフチョコを渡してくれた。
「ほら。食べたかったんだろ」
「え…いいんですか?ユーグは?」
「俺は別に、甘いもの好きでもないし」
箱を再び手渡して、ユーグは大して興味もないであろう(と、思う。甘いものが好きじゃないって言っていたし)チョコレートとボクとを交互に見やる。
遠慮せずに食べろと言ってくれている、と感じ取ったボクは心の中で見知らぬ人にお礼を言ってから、美味しそうなチョコをひとくちで食べてしまった。
食べてみればやっぱり、甘くて美味しい。
「ん、おいひいです」
「あっそう。…ついてるぞ」
「へっ?」
もごもごと頬張ったまま感想を述べれば、ユーグは楽しそうに笑ってくれる。つられてボクも笑う。
そうしてから、ユーグはふと気付いたように近付いてきて…ぺろりと、口元を舐められた。
いったい何事かと思ったボクは、固まってしまって動けない。
「やっぱり甘い。…まぁ、確かに美味いんだろうけど」
「ゆ、ユーグ?」
「ん?あぁ、チョコついてたぞ」
けろりとした表情でそう告げられて、どう反応を返したらいいものか分からない。
びっくりしたまま固まっていると、ユーグは綺麗な笑みを浮かべ。
「何驚いてんの?」
言いながら優しく頭を撫でられてしまうと、ボクは何も言えなかった。
ボクの様子に満足したのか、ユーグは楽しそうにくすりと笑いを漏らしてから歩き出す。
そこで漸く我に返ったボクは、固まった体をなんとか動かし慌てて走り出した。
「あ、ま、待ってくださいっ!」
「慌てなくても置いてかないって。…転ぶなよ」
振り向いたユーグは相変わらず楽しそうに笑っていて、どうにも恥ずかしかったけれど…けれど、ユーグが笑ってくれるとボクも何だか嬉しくて、ついつい笑顔を浮かべてしまったのだった。
* * * * * * * * * *
ユーグは見目はいいし人当たりは良さそうだし、
何も知らない女の人から貢がれてそうだなー、と思ったのがはじまりでした。
貰ったものに興味のないユーグはカレルに何でもかんでもあげそう。
そして受け取ったカレルの反応を見て楽しんでいそう。
…と、いう予想のもとにこうなりました。
バレンタインはとっくに過ぎていますが…
幸せなふたりを書きたかったのです。
「ほら、やるよ」
「え?どうしたんですか、コレ」
無造作に投げられた箱を慌てて受け取る。手の上に載るくらい小さな可愛らしい箱は、見た目通りに軽かった。
まじまじと観察していると、ほんのり甘い香り。
「あー、知らない女から貰った。カレル、甘いもの好きだろう?」
「はいっ。…と、いう事は、これってチョコレートですか?」
「らしいな。見ず知らずの俺にくれるなんて、世の中物好きもいるもんだね」
そう言って笑うユーグは、どこか楽しそうだった。
ボクはといえば、受け取ったお菓子を食べてもいいものか、そわそわと落ち着かない。良いとは言われたけれど本当に良いのだろうか、と迷ってしまったのだ。
するとそんな心情を察したのか、ユーグはボクの手から箱を取り蓋をあけ…ふわりと甘い香りが漂う中、真ん丸のトリュフチョコを渡してくれた。
「ほら。食べたかったんだろ」
「え…いいんですか?ユーグは?」
「俺は別に、甘いもの好きでもないし」
箱を再び手渡して、ユーグは大して興味もないであろう(と、思う。甘いものが好きじゃないって言っていたし)チョコレートとボクとを交互に見やる。
遠慮せずに食べろと言ってくれている、と感じ取ったボクは心の中で見知らぬ人にお礼を言ってから、美味しそうなチョコをひとくちで食べてしまった。
食べてみればやっぱり、甘くて美味しい。
「ん、おいひいです」
「あっそう。…ついてるぞ」
「へっ?」
もごもごと頬張ったまま感想を述べれば、ユーグは楽しそうに笑ってくれる。つられてボクも笑う。
そうしてから、ユーグはふと気付いたように近付いてきて…ぺろりと、口元を舐められた。
いったい何事かと思ったボクは、固まってしまって動けない。
「やっぱり甘い。…まぁ、確かに美味いんだろうけど」
「ゆ、ユーグ?」
「ん?あぁ、チョコついてたぞ」
けろりとした表情でそう告げられて、どう反応を返したらいいものか分からない。
びっくりしたまま固まっていると、ユーグは綺麗な笑みを浮かべ。
「何驚いてんの?」
言いながら優しく頭を撫でられてしまうと、ボクは何も言えなかった。
ボクの様子に満足したのか、ユーグは楽しそうにくすりと笑いを漏らしてから歩き出す。
そこで漸く我に返ったボクは、固まった体をなんとか動かし慌てて走り出した。
「あ、ま、待ってくださいっ!」
「慌てなくても置いてかないって。…転ぶなよ」
振り向いたユーグは相変わらず楽しそうに笑っていて、どうにも恥ずかしかったけれど…けれど、ユーグが笑ってくれるとボクも何だか嬉しくて、ついつい笑顔を浮かべてしまったのだった。
* * * * * * * * * *
ユーグは見目はいいし人当たりは良さそうだし、
何も知らない女の人から貢がれてそうだなー、と思ったのがはじまりでした。
貰ったものに興味のないユーグはカレルに何でもかんでもあげそう。
そして受け取ったカレルの反応を見て楽しんでいそう。
…と、いう予想のもとにこうなりました。
バレンタインはとっくに過ぎていますが…
幸せなふたりを書きたかったのです。
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