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ハトアリ・エリアリ第2弾。
可愛いを連呼するふたり。



* * * * *

「だから!何でっ、俺がっ、『可愛い』なんて事になるんだ!?」
「だって可愛いんだもの」
「~~!!」

俺の事を可愛い、と自信満々に言ってくれるのは大事な大事な恋人、アリスその人だ。
アリスに褒められる事自体は嬉しいと思う…が、これだけは!

「もう、エリオットってばどうして怒るのよ。可愛いのは事実なんだから仕方ないじゃない」
「だーかーら!俺が可愛い、なんてありえない!」

声を張り上げ反論しても、アリスは嬉しそうに笑ったまま、俺の頭を撫でる。ベッドに座っていた所為で、アリスはさっきから俺の頭を撫でたり耳に触ったりとやりたい放題だ。
俺としては撫でられるのは気持ちいいし嬉しい…けれど、それとこれとは話が別だ。
このままじゃまずい、と勢いよく起き上がれば、アリスは驚いたように俺を見つめていた。

「どうしたの?」
「アリス…俺の事、好きだよな?」
「はぁ?突然何を…」

アリスは俺の言葉に何度も目を瞬かせてから、一体何事かと言いたげにしかめっ面になってしまった。
でも、そんな事も気にしていられない俺は勢いのままに話し続ける。

「好きだよな?俺はアリスの事が大好きだっ」
「そ、そりゃあ私だってエリオットの事が好きよ?けど、今更何でそんな事を聞く訳?」

動揺したようにほんのりと頬を赤く染めるアリスはとても可愛くて、返事の代わりにぎゅうと抱きしめる。
慌てて逃れようとする恋人をしっかりと抱きしめたまま、俺はさっきまでの仕返しとばかりにアリスの髪に触れた。
俺の髪とは違って触り心地のよい感触に思わず笑みが零れる。その体勢のままで可愛い恋人を眺めていると、どんどん顔が赤くなってゆくのが分かった。

「ほらな、アリスの方が可愛いって」
「…さっきの質問と噛み合ってないわよ」
「いーや、合ってる!アリスの事が大好きで、可愛くて仕方ないんだ、俺」
「………」

はぁ、と小さな溜息が聞こえたけれど、どうだっていい。
さっきまで俺の事を『可愛い』などと言っていたアリスの方が可愛いんだ、って事を証明できたんだ。それだけでもう満足だった。

「やっぱりアリスは可愛いなっ!」
「……分かったから、もう言わないでいいわ…」

何故か呆れた様子のアリスは、がっくりと頭を項垂れる。
俺はそんな彼女をぎゅっと抱きしめ、満足げな笑みを浮かべたのだった。


* * * * * * * * * * 


可愛いエリオットでいくはずが今回はアリスが振り回された。
たまにはこんなのもありかと。

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